近年値上がりが続く電気代。皆さん、少しでも電気代を安くしたいと思いますよね。今回はそもそも電気代とは何か、電気代の仕組みから高騰している原因について説明します。電気代の仕組みを知ることで、節約につなげることができます。
電気代の仕組み
電気代は大きく分けて3つのものから構成されます。
・基本料金
・電力量料金
・再生可能エネルギー促進賦課金
電気代の内訳は以下のようになっています。
基本料金
基本料金とは、電力会社が契約プラン、アンペア数ごとに設定した固定料金のことです。一般的に電気を全く使わなかったとしても、支払わなければならないものです。基本料金の主な内訳は「発電の設備費」、「人件費」、「機材費」、「その他諸経費」の4つです。電力会社が発電を行う上で必要な費用を、基本料金でまかなっています。
電力量料金
電力量料金使用した電力量に応じて発生する料金のことです。電気をたくさん使えば、その分電力料金が上がり、電気料金の請求額は高くなります。電力量料金は、1kwhを基本の単位として単価が認定されています。電力量料金は、上の図のようにこの単位に使用した電力量(kwh)をかけて計算します。
燃料費調整額
燃料費調整額とは、発電にかかる燃料コストを電気料金に反映させたもの。電力量料金に組み込まれており、「燃料費調整単価×1か月の電力使用量」の計算式で求められます。
また、燃料費調整単価は過去3か月間の燃料価格の平均から計算され、2か月後の電気料金に反映されます。燃料価格が上昇すれば燃料費調整額が電気料金に加算され、燃料価格が低下した時には電気料金から差し引かれる仕組みとなっています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」によって電力会社などが買取に要した費用を、電気の使用量に応じて電気料金の一部として負担するものです。目的としては、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの普及を促進させるためです。
電気代が高騰している理由
では一体何故電気代が高騰しているのでしょうか。理由は大きく分けて3つあります。
①液化天然ガス(LNG)の輸入価格の上昇
1つ目は、電気を作る際に必要な燃料である液化天然ガスの価格が上昇しているのが理由の1つです。新型コロナウイルスの流行により、経済活動が停滞してしまったこと、世界で脱炭素社会を実現するために液化天然ガスへ移行する姿勢がみられていること、2022年から始まったロシア軍によるウクライナ侵攻などの世界情勢の影響により、液化天然ガスの価格が上昇しているのです。
②国内の電力の供給不足
2つ目は、老朽火力発電所の休廃止や原発の影響により、国内の電力の供給が低下しているのです。またその影響で夏や冬など電力の需要が多い時期に対しての供給がひっ迫しているのが現状です。
③新電力会社の電気料金値上げ
今までの電力会社よりも価格の低い電気料金を提示していた新電力会社も、上記の理由から値上げをせざるを得ない状況になりました。新電力に乗り換え、または新規契約をしているご家庭は、この先の価格変動を注視する必要があります。
電気代の値上げの対策
電気代が高騰する中、ご家庭でできる対策をご紹介します。
①節電
テレビを観ないときは消す、冷蔵庫にものを詰めすぎない、エアコンの設定温度の見直しなどをすると良いでしょう。電源を切るだけでなく、コンセントを抜くことで待機電力をなくすことでより節電効果があります。
②契約プランの見直し
現在契約しているプランがあっているかどうか、今一度見直してみましょう。複数のプランを比較することで、今よりお得なプランがある可能性があります。
③太陽光発電の導入
再生可能エネルギーの一つである太陽光発電を使うことで、ご家庭で電気を作り出す(自家発電)ことができ、電気代を大幅にカットすることが可能です。そこに加えて蓄電池を導入することで、夜間に貯めておいた電気を電気代が高くなる昼から夕方にかけて使うことで電気代をさらに抑えることが可能です。この蓄電池に関しては、蓄電池はなぜ必要なのか??にて詳しく説明していますのでぜひご参照ください。
まとめ
今回は電気代の仕組みから高騰している原因、対策についてご紹介しました。電気代が高騰している原因は様々ですが、節電や契約プランを見直しなどをすることで電気代を抑えることが可能です。ぜひこの機会にご家庭の電気代を見直してみてはどうでしょうか?